※今回はEaseUSさまよりご協力頂いております。
パソコンでデータを扱う上で一番怖いのは大切なデータの紛失です。
私は今まで数え切れないくらいのデータを失ってきました。
パソコンの歴史 = データ紛失との戦いといっても過言ではないでしょう。
ときにはハードディスクの選択ミスでフォーマット、バックアップしたと思いこんでデータを削除、物理的な故障は前回に書いたNASのHDDくらいなものです。
何度もデータを失う中でバックアップの大切さを学んできました。
現在の私のデータ管理状況は下のようになっています。
この中でHDDとNASのデータは定期的に同期を取るように心がけています。
それでも不意にデータを消してしまうことがありますよね。
よくやってしまうのはパソコンに保存する前のカメラのデータ削除です。
また、NASに同期前のHDDのデータを消してしまうことがあります。
こんなときは涙を飲んで、データを諦めてしまうことが多いのですが、今回はどうにか削除してしまったデータを復元できないかということで、EaseUSさんの協力の元、データの復元を試して見たいと思います。
実は、私はEaseUSさんのソフトには結構お世話になっています。
例えば、下の記事で紹介した、SSDのデータ移行にEaseUS Todo Backup Freeを使用しています。(この記事は私が勝手に書いたものです。)
SSDやHDDなどのドライブ関連に強いソフトが多い印象ですね。
あと、素人だとわかりくい複雑な操作がとてもわかり易いGUIになっている印象があります。
今回使うソフトはコチラ。
EaseUS Data Recovery Wizardです。使ってみて良いところも悪いところもぜひ記事にして良いですよとのことだったので、レビューしてみたいと思います。
かなり機能の多いソフトのため、全てを紹介はできそうにないのですが基本的な機能を試したいと思います。
動作環境
まずは、動作環境の確認をしましょう。
Windowsの場合は
Windows XP 以降のOSで対応しています。
Macの場合は
Mac OS X 10.9 以降に対応しています。
一般的に動いているパソコンであれば問題なさそうです。
必要スペックについては、上記のOSが動いている環境であれば問題なさそうですので
今回は私のメインで使用しているWindows10のマシンを使用します。
対応ディスク
公式で対応していると紹介されているのは
ハードディスクドライブ(HDD)、SSD、SDカード、USBメモリなどのデバイスのようです。
日常使うデバイスは問題なさそうです。
対応ファイル
これがかなり重要になってくると思います。
私も以前ファイル復元ソフトを使ったことはあるのですが、復元したかったデータが対応している形式ではなく、諦めた覚えがあります。
公式ホームページに掲載されている対応ファイルは下記の通りでした。
私が普段良く消してしまう画像系のファイルはほぼ対応しているようです。
RAWファイルにも対応しているのはありがたい!
動画だとMKVやSWFなど結構マニアックな形式にも対応しています。
ということでかなり期待はできるのですが、実際に使ってみてほんとうに使えるのかどうかを検証してみましょう。
検証① SDカード
まずはSDカードです。SDカードのデータはカメラマンの命と等しいのでぜひ成功してほしいところ。欲を言えば(対応とは書いてあるけど)RAWファイルまで復元できてほしいところです。
今回は検証のため、SDカードの中身を完全にバックアップしたあと、フォーマットを行い、どれだけのデータが復元できるのかを試してみました。
1.バックアップ
左がSDカードのデータです。
2. フォーマット
今回はクイックフォーマットをしてみました。
私も何度か、間違えて必要なデータが入ったままクイックフォーマットをしたことがありますが、控えめに絶望的な状況だと思います。
3.EaseUS Data Recovery Wizard起動
起動画面はこんな感じです。とてもわかり易いですね。
復元したいディスク上にカーソルを乗せるとスキャンという文字が表示されますので、とりあえずドライブを選んでクリックすればスキャンが始まります。めっちゃ楽。
スキャン中の画面はこんな感じです。
フォーマットだと、削除されたファイルではなくその他のファイルにファイルが表示されるようです。
ここで、ちょっと予想外だったのはフォルダ分けされていること。
Camera, JPEG Grashics fileあたりに画像は保存されていそうです。そのほかは動画系のファイルでしょうか?ちょっとむずかしいフォルダ分けですね。
動画、音楽、画像みたいなざっくりとしたジャンル分けがほしい気もします。
4.スキャン完了
スキャン完了しました。
フォーマットしたファイルたちは紛失したファイルに分類されるようです。
フォルダ分けも更に細かく分類分けされています。
5.ファイル復元
復元したいファイル、フォルダを選択してリカバリを押すだけです。
驚いたのは画像が表示できたことと、動画がプレビュー可能であったことです。
効率よくファイルを選択してリカバリできそうです。
また、カメラのRAWファイル(ARW)もそのまま表示できたのは驚きでした。
下の画像はプレビュー画面で画像のRAWファイルを表示しているところです。
今回はもともとSDカードにあったと思われる既存のパーティションを復元してみました。
6.比較してみる
今回は画像が保存してあった100MSDCFと101MSDCFフォルダがどの程度復元できたのかを検証してみます。検証はWinMergeというファイル比較ソフトを使い、バイナリファイルが同一であるかどうかを調べました。バイナリファイルが一致しているということは正しくファイルが復元できていると言って間違いなさそうです 。
結果から言います。100%復元できました。フォルダ単位で同一表示になっています。
驚きました。逆に言えば、クイックフォーマットくらいではデータは消えていないことがわかります。ちゃんとデータ復旧ソフトを使用すると復元できるわけですね。
もちろん中身も同一です。
今回はクイックフォーマット直後に復元できたので100%だったと思いますが、もし、フォーマットでやらかしてしまったと思ったら、まずは、そのデバイス、ドライブは使わないようにしましょう。
ここから更に上書きなどをしてしまうと復元できない可能性が上がってしまいます。
検証② HDD
数年前に使用しなくなったHDDも試しにスキャンしてみました。
320GBの容量で1時間くらいはかかったと思います。現在主流の大容量HDDはこれ以上に時間がかかりそうなので、そこは承知の上、寝ている間などにスキャンをかけるのが良さそうですね。
これはあとから気づいたのですが、スキャンした結果を保存しておく機能がありました。HDDのスキャンにはかなり時間がかかるので、その結果を保存しておくと、あとから復元する場合に結果のみ読み込みをすれば再度スキャンする必要がなくなります。
スキャン結果の読み込み、保存は右上のアイコンから可能でした。
復元の結果ですが、320GBのHDDをスキャンすると900GB以上のデータがスキャンされました。もちろんすべて復元できるわけではないと思いますが、、、、、
ためしに200MBの動画ファイル3本を復元してみましたが、問題なく復元できました。
復元できないファイルはスキャンの時点でプレビューができなかったので、わかります。
正直なところ、動画ファイルに関してはプレビューできないものもかなりありました。
物理的に削除した領域が書き換えられてしまっている場合は復元ができないようです。
たしかに、320GBのHDDに900GB分のデータが保存できるわけはありませんので、当たり前といえば当たり前なのですが、、、
やはり、間違えて削除してしまった場合はすぐに復元できるようにしておくのが最善のようです。
このHDDは一時期MacbookのTime Machineというバックアップ機能に割り振っていたのですが、そのときのデータも見ることができました。
WindowsはNTFS,MacのデータはHFS+というフォーマットで現在はNTFSでフォーマットされていたのですが、HFS+で一時期使っていたときのデータまで見ることができました。
番外編 NASで使用していたHDD
HFS+のフォーマットが読み込めることがわかったので、もう一つ思いつきました。
先日の記事でNASのHDDを交換したことを記事にしましたが、このとき外したHDDも読み込めるのではないかと思いました。NASはLinux系のOSで動いているため、またフォーマットもLinux系です。さて、読み込めるのでしょうか。
実はHDDですが、NASでエラーが吐き出されて止まってしまったHDDです。
流石に故障したHDDなので復元できなくても良い(もちろんデータは別のHDDにバックアップしていた)のですが、試してみました。
3TBなのでスキャンに9時間くらいかかりました。
このHDDですが、ほんの短い期間ですが、MacやWindowsでも使用したため、フォーマットのデータが残っていました。これも驚きですが、RAWというフォルダにNAS上で管理していたデータが入っていました。
こちらはHDDの故障が原因なのかソフトが原因か不明ですが、下記のようにファイルが中途半端に壊れているものが多かったです。もちろん、完全に復元できるものも多くありました。
元から壊れていることがわかっているHDDでここまでファイルがスキャンできるとは思っていませんでした。
ちゃんと表示できるデータは基本的に復元可能です。
長めの動画などもプレビュー表示できるものは復元できました。
ただ、ファイル数が多くなるとスキャンしたファイル名がFILE*******(*は何かしらの数字)のように表示されてしまうため、プレビューするまでどんなファイルかわかりません。
*大きなアイコン表示でサムネイルが表示されていました。ただし、ファイル数が多いとサムネイル表示までにかなり時間がかかります。
良かった点・悪かった点
良かった点
・復元能力はすごく高い
NAS用のHDDからデータが拾えたのは驚いた
・起動から復元までの手順がすごく簡単で使いやすい
・別のOSで作成したデータも復元できる
メインはMacでサブはWindowsという場合で、メインが壊れてサブからメインのデータを救出するような使い方もできそう。
悪かった点
・大量の同じ形式のファイルなど、ファイル名の表示がわかりにくい
日付も残っていないので、いつ作成したデータなのかが中身を表示するまでわからない。
・値段が安くはない
1ヶ月 8900円
1年 11900円
永久 17900円
業者に出すのに比べたらぜんぜん安いです。
データは削除してしまってから復元するまでの時間が短いほど成功率が高いので、1ヶ月プランで即決できるかが大事です。
データを間違えて消してしまってすぐ復元したい人のために、1週間1500円とかもあると嬉しいかも。
使ってみた雑感
HDD破棄などするときは、本当にしっかり消したほうが良い。
正直、ドン引きするくらい復元できてしまったので、適当にクイックフォーマットだけしたHDDを売りに出したりするのはやめましょう。HDDなどの記録媒体を手放すときは2重、3重でしっかりデータ消さないと簡単に情報流出してしまいます。というか、物理的にハンマーやドリルで壊して処分しましょう。ほんとに怖いですよ。
間違えてファイルを消してしまったらいじらずためすべし
EaseUS Data Recovery Wizard のFree版でとりあえず復元できるかどうかを調べるのはとても良いと思います。そのあと、復元するのに有料版が必要になってしまう可能性はありますが、そのときは救いたいデータとの折り合いをつけましょう。
どうしても諦められないデータであれば有料版を使ってしまうのも良いと思います。
ただ、気をつけてほしいのは間違えて削除した場合、その後に上書きなどしてしまうと救出できる可能性がどんどん低くなるということです。
今回スキャンしたファイルの中でも復元できないファイルももちろんありました。
最初の記事で書いたように、クイックフォーマット直後に復元をかけたものは100%復元成功していたので、もし消してしまったことに気づいたら、そのデバイスへの書き込みなどは極力行わないようにしてすぐに試したほうが間違いなさそうです。
試して、有料版を選ぶか検討すればOK
とりあえずFree版でスキャンだけ試すのはありだと思いました。
Free版で試してみて復元できそうであれば有料版を買うようにしてもかなり安くすみます。
自分で復元するのが怖かったりする場合もあるので、ほんとに大事なデータは専門の企業に任せるのもありかと思います。業者だと数万~かかるのでそこもデータと折り合いをみて決めましょう。
とはいえ、バックアップはやっぱり大事
これに尽きます。普段からバックアップを取るように心がけましょう。
できれば、別のHDDやUSBなどに分散してバックアップを取れるようにしておきましょう。
以上、今回はEaseUS Data Recovery Wizardを使わせていただけたので、復元を試してみた話でした。
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